(1)カブトムシを飼ってみよう
「カブトムシの詳しいことは全く知らん!」という方もいらっしゃると思いますので、カブトムシの一生がどんなものなのか というところから説明します。
「そんなことわかってるから具体的な飼い方を知りたい」という方は読み飛ばしてください。

知っているところはジャンジャン読み飛ばしてください。
カブトムシ飼育の基礎
カブトムシの一生がどんなものなのか、幼虫と成虫で飼育方法がどう違うのか、について解説します。
カブトムシの一生
大体こんな感じです↓

たまごで生まれてから成虫になって死ぬまで、約1年の命です。
ほとんどの期間を幼虫で過ごすので、成虫の姿でいるのは1〜3ヶ月程度しかありません。
6月頃に成虫になって、夏が終わる頃には死んでしまいます。

クワガタの一部や外国のカブトムシは2年以上生きるものもありますが、日本のカブトムシは短命です。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
成虫飼育と幼虫飼育の違い
カブトムシを飼うと言っても、成虫を飼うのか幼虫を育てるるのかで、やることが全然違います。


幼虫と成虫は“別な生き物”と言ってもいいくらい生態が違います。
成虫飼育について
成虫を飼う場合、
- 飼育するカブトムシのオス&メスの数
- カブトムシの飼育方針
によって、やることがちょっとだけ変わります。

“飼育方針”というと小難しく聞こえますが、
- とにかく大事に育てたいのか、多少のケンカやケガはOKなのか。
- たまごを産ませて来年もカブトムシを飼いたいのか、そうじゃないか。
といったことについての考え方です。
成虫飼育の基礎
「“飼育方針”とか小難しいこと言われてもわからんわ〜!」という方もいらっしゃると思いますので、初心者は以下の考え方でよいと思います。
- 同じ飼育ケースで一緒にカブトムシを飼う
- ただし、飼育ケースは大きめのものにする

とはいえ、カブトムシの数が多すぎる場合はケースを分けましょう。
たまごを確実に産ませたい場合、オスとメスのペアだけを別の飼育ケースにするという手もあります。
成虫飼育で準備するもの
カブトムシを飼うのに最低限必要なのは以下の4点です。
- 飼育ケース
- エサ(昆虫ゼリー)
- 土(昆虫マット)
- のぼり木

すべてネットで買えます。
ホームセンターや100円ショップでも買えるので、近くに店があれば行ってみるとよいです。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
成虫飼育における日々の世話
カブトムシの成虫を飼うと、
- ケースの掃除
- エサ交換
- 霧吹き(随時)※必要に応じて
- 土交換(随時)※汚れの状況に応じて数週間ごとに
の必須2件+随時2件を毎日やることになります。

同じケースの中でたくさんカブトムシを飼育しているとケースが汚れやすいです。
汚れが少ない場合、ケースの掃除は毎日でなくてもOKです。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
交尾してたまごを産ませる
カブトムシに交尾してたまごを産ませると言っても、特別難しいことは必要ありません。
- オスとメスを同じケースに入れる
- 放っておけば交尾する
- メスがたまごを産む
以上です。

カブトムシは繁殖力が高いので「放っておいたら勝手にたまごが生まれてた」というのが実情です。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
成虫飼育の注意点
成虫飼育における注意点です。
- 【注意点1】コバエが発生すると面倒
- 【注意点2】カブトムシの持ち方に気をつけよう
コバエ
特に対策をしないと、飼育ケースにコバエが発生してしまいます。
家の中でコバエが発生し繁殖してしまうと、根絶にかなり時間と手間がかかってしまいます。
事前にコバエ対策の手を打っておきましょう。

コバエが発生する前に予防策をしましょう。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
持ち方
日々の世話をするにあたって、カブトムシを持つことが多くなります。
カブトムシを傷つけないと同時に、自分もケガしないように、持ち方の基本をおさえておきましょう。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
幼虫飼育について
野生のカブトムシの幼虫は、葉っぱや木が腐ったものを食べて大きくなるんです。
自宅で幼虫を飼育する場合、“昆虫マット”という人工的に作った土を使って育てるといいです。
幼虫の活動は時期によって異なります。
具体的にはこんな感じです↓

特に夏の終わりから秋の終わりにかけて大きく成長しするんですね。
冬は活動量が落ちてあまりエサを食べません。
春の終わり頃から夏の初め頃にさなぎになります。

冬になる前までに急成長します。
春になったら蛹室(さなぎになる部屋)を壊さないように気をつけましょう。
幼虫飼育の基礎
幼虫飼育でやることは、
フンが増えてエサとなる昆虫マットが減ってきたら土を交換する
それだけです。
成虫飼育のように毎日世話をする必要はなく、ほぼほったらかしで大丈夫です。

正確には「土を交換する」ではなく「フンを取り除いて昆虫マットを補充する」です。
飼育ケースの昆虫マットの表面にフンが目立ち始めたら交換時期の目安です。
幼虫飼育で準備するもの
幼虫飼育の場合、最低限必要なのは
- 飼育ケース
- 土(昆虫マット)
のみです。
成虫飼育で使った飼育ケースと昆虫マットをそのまま活用できます。

昆虫マットは、カブトムシの幼虫飼育に向いているものとそうでないものがあります。
“クワガタ用”や“成虫専用”を選ばないように注意しましょう。
飼育ケースのなかに昆虫マットを8割くらいまで入れて、幼虫を入れれば準備完了です。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
幼虫飼育における日々の世話
幼虫飼育の場合、毎日の世話は必要ありません。
昆虫マットの表面にフンが目立たないか確認する
くらいですね。
フンが目立ってきたら土を交換します。
やることは、
- 飼育ケースの土から幼虫を取り出す
- 飼育ケースに残った土をふるいにかけてフンを取り除く
- フンを取り除いた土を飼育ケースに戻し、足りないぶんの昆虫マットを補充する
- 幼虫を飼育ケースに戻す
です。

飼育ケースの土の量と幼虫の数によりますが、冬になる前の成長期は数週間~1か月でフンが目立つようになります。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
幼虫飼育の注意点
カブトムシの幼虫飼育での注意点です。
- 【注意点1】幼虫を素手で長時間さわらない
- 【注意点2】蛹室を壊さない
幼虫はデリケート
人間の体温は幼虫と比べるとすごく熱いです。
幼虫は皮膚が薄いので、人間の手で触られるとやけどしてしまいます。

なるべく素手で触る時間を短くするか、軍手をするなどの工夫をしましょう。
蛹室は命の部屋
カブトムシの幼虫は、5月~6月ごろにさなぎになる準備をします。
さなぎになるための蛹室(ようしつ)って部屋をつくるんですね。
間違えて壊してしまうと成虫になれないので、蛹室を壊さないように気を付けましょう。

もし壊してしまったら人工蛹室をつくってあげる必要があります。
蛹室を壊さないようにするため、土交換は4月前半までに済ませておきましょう。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
(2)カブトムシを手に入れよう
カブトムシを手に入れるには、
- 自分で捕まえる
- イベントで捕まえる
- お店 or ネットで買う
- 人からもらう
というやり方があります。

要は「自分で捕まえる」か「誰かからもらう/買う」かのどちらかです。
ワタクシがカブトムシを手に入れたときの経緯は以下の記事をお読みください。
自分で捕まえる
最も難易度が高いですが、そのぶん捕まえたときの達成感も大きいです。
トラップ(カブトムシを引き寄せるしかけ)を使うと成功率があがります。

トラップは「バナナトラップ」や「ライトトラップ」などがあります。
イベントで捕まえる
意外とオススメなのが、イベントに参加することです。
初心者がいきなりゼロから全部自分でやると大変なので、経験者のアドバイスやサポートを得ながら捕まえます。
ワタクシの場合、初期はイベントで捕まえたカブトムシが多かったです。

ネットで調べてみると、昆虫採集を体験できるイベントがいろいろあります。
お店 or ネットで買う
昆虫ショップやホームセンターに行くと売っています。
昔はデパートでも売っていたと思いますが、いまはどうなんでしょうか。
ネットでも買えます。Amazonや楽天でも売ってますね。

運が悪いと「買ってすぐに死んじゃった」ということもあるので注意が必要です。
人からもらう
ご近所やお友達でカブトムシを飼っている人から譲ってもらうという手もあります。
ワタクシもご近所さんからもらいました。

ウチも去年は幼虫増えすぎたので、子どもの友達にあげました。
ワタクシがカブトムシを手に入れたときの経緯は以下の記事をお読みください。
(3)カブトムシ飼育に必要な道具
カブトムシを飼うのに最低限必要なのは以下の4点です。
- 飼育ケース
- エサ(昆虫ゼリー)
- 土(昆虫マット)
- のぼり木

それぞれいろんなメーカーからいろんな種類のものが売られています。
自分にあったいいものを選びましょう。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
その他にもあると便利な道具がありますので、必要に応じて準備しましょう。
主な飼育道具の種類と選ぶポイント
飼育ケースの選び方
ケースを選ぶにあたって特に重要なポイントは「大きさ」と「コバエ侵入防止機能」の2点です。
ケースの大きさ
ケース内に同居するカブトムシが多いときに、カブトムシの密度が濃くならないように注意しましょう。
あくまで個々の感覚になってしまうんですが、ダイソーで買える100円の飼育ケースに2匹入れるとワタクシの所感としては「密度が高すぎ」です。

ダイソーの飼育ケースの場合、ひとつのケースに同居させるカブトムシの数は、
小(100円) = 1匹
中(300円) = 2匹以内
大(500円) = 3~4匹以内
くらいです。
飼育ケースの大きさについての詳しい説明は以下の記事をお読みください。
コバエ侵入防止機能
こちらでも記載しましたが、コバエが発生すると大変なので事前対策が重要です。
ケースにコバエ侵入防止機能があるとラクなので、どうしても予算を切り詰めたい方でなければコバエ侵入防止機能つきのケースを選びましょう。

SANKOのクリーンケースの場合、Mサイズ(ダイソーの大(500円)と同じくらいの大きさ)が1,000円~1,500円くらいで買えます。
1,000円の追加出費でコバエから解放されるならば安いものです。
コバエ侵入防止機能つきケースについての詳しい説明は以下の記事をお読みください。


昆虫ゼリーの選び方
昆虫ゼリーを選ぶポイントは「ゼリーの形状」と「コストパフォーマンス」です。
ゼリーの形状
カップに入っている個別包装されているタイプの昆虫ゼリーを選びましょう。
“広くて浅いタイプ”と“狭くて深いタイプ”がありますので、エサ台やのぼり木のエサ穴の大きさに合うものを選べばOKです。
↓広くて浅いタイプ(左)と狭くて深いタイプ(右)


エサ台の穴にゼリーをカップのままはめ込んで使います。
エサ交換するときはカップごと交換することで掃除の手間が省けます。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
コストパフォーマンス
やはり気になるのはお値段ですよね。
ゼリー1個あたり10円を超えると割高な感じがします。
50個入りで500円切っているならばいいんじゃないでしょうか。

これまで確認できたなかでコスパ最強はダイソーの昆虫ゼリーです。
20個入りで100円なので、5円/個というスペシャルプライス。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
昆虫マット
昆虫マットを選ぶポイントは成虫飼育の場合と幼虫飼育の場合で観点が異なります。
成虫の場合「あまりこだわらなくてもOK」ですが幼虫の場合、「カブトムシ専用か」と「幼虫対応か」の2点を注意しましょう。

成虫の場合「もぐる」「たまごを産む」などができれば何でもOKです。
幼虫の場合は昆虫マット自体が「エサ」でもあるので、マットの選び方で幼虫の成長に影響します。
なんかややこしいなぁ〜、と思った方は
「成虫も幼虫も“カブトムシ専用”かつ“幼虫用”となっているものを使う」
でOKです。
カブトムシ専用か
昆虫マットはカブトムシ用やクワガタ用があります。
「カブトムシ・クワガタ兼用」と「カブトムシ専用」のものがあるんですが、「カブトムシ専用」を選びましょう。
幼虫対応か
昆虫マットは成虫専用と幼虫対応のものがあるので、幼虫対応しているものを選びましょう。
「幼虫専用」でなくてもよくて、「成虫・幼虫用」で問題ないっす。

迷ったら、「カブトムシ専用」「成虫・幼虫用」を選べばOKです。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。


のぼり木
のぼり木を選ぶポイントは「木の形状」と「エサ穴の形」です。

どのくらいの大きさのものが何個ほど必要か決めるのも大事です。
木の形状
太いのか細いのか、長いのか短いのか、大きいのか小さいのか。
立てて置くのか、寝かして置くのか。
その辺は好みの問題なので、自分のイメージで選びましょう。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
エサ穴の形
昆虫ゼリーをはめ込む穴が空いているのか、穴の大きさと深さはどのくらいか。
広くて浅いタイプと狭くて深いタイプのどちらの昆虫ゼリーが入るのか、を確認しましょう。

のぼり木のエサ穴の形に合わせて昆虫ゼリーを買えばいいので、あまり気にしすぎなくてもよいです。
穴が小さすぎると昆虫ゼリーがカップのまま入らないので要注意。
購入方法
実店舗で買うか、ネットで買うか、大きくは2択です。
実店舗
主な候補は
- 昆虫ショップ
- ホームセンター
- 100円ショップ

家の近くに店があれば中をのぞいてみてください。
同じ店でも時期によって品ぞろえが違うことがあるので注意。
ネット
主な候補は
- ECサイト(Amazon、楽天、個別昆虫ショップ など)
- オークション・フリマサイト等(ヤフオク、メルカリ、ジモティ など)

相場観を知っておくことが大事です。
メーカー
あまり気にする必要ないですが、総合メーカーとして、
- SANKO
- フジコン
- マルカン
があります。

100円ショップのダイソーとか、ホームセンターのプライベートブランドもあります。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
(4)カブトムシ関連豆知識
カブトムシの生態
カブトムシの一生
こちらにも書きましたが、
- たまごで生まれてから成虫になって死ぬまで約1年
- ほとんどの期間を幼虫で過ごし、成虫の姿でいるのは1〜3ヶ月程度
です。

たまごは約2週間で孵化して幼虫になります。
幼虫は2回脱皮して秋の終わりまでにはほぼ最大の大きさに成長します。

野生のカブトムシは、鳥などに食べられるため、成虫の寿命はもっと短いそうです。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
成虫
成虫は大きくならない
カブトムシが成虫になってから、さらに成長して大きくなることはありません。
カブトムシの成虫の大きさは、幼虫のときの大きさで決まります。

人間も大人になってからは身長伸びないのは同じですね。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
幼虫
幼虫が大きくなる要因
幼虫は孵化して3ヶ月で急激に成長します。
大きい幼虫に育つには、
- よいエサを十分に与えること
- 成長に適した温度条件が十分に続くこと
が大事です。

要は「寒くなる前に、いい昆虫マットをたくさん食べる」ということです。
あと、母親のカブトムシの身体の大きさも影響します。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。


カブトムシのからだ
カブトムシの部位の名称
こんな感じです↓


小さい角(胸角)がついている部分は「前胸(ぜんきょう)」といって、あたまではないんですよ。
カブトムシの大きさは、頭角の先から前ばねの先までの長さを測ります。
哀川翔さんが育てた8.8cmのカブトムシが、ギネス世界記録に認定されています。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
世界のカブトムシ
これまで日本の国産カブトムシのことを記載してきましたが、世界に目を向けるともっと大きくて角の形も特徴的なカブトムシがたくさんいます。
世界最大のカブトムシと言われるヘラクレスオオカブトの大きさは、日本のカブトムシの2倍以上になります。

昆虫ショップやネットで買うことができるので、興味がある方は飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
詳しい説明は以下の記事をお読みください。
その他
わからないことがあったらネットでどんどん調べましょう。
そしてイロイロ試してみましょう。
ワタクシも何も知らないところから、たくさん失敗してカブトムシのことがよくわかってきました。
このサイトがみなさんにとって少しでもお役に立てればうれしいです。