今回は、カブトムシに関する豆知識第二弾ということで、幼虫の成長についてになります。
「幼虫ってずっと成長し続けるのか? それともどこかで成長がとまるのか?」
「幼虫が大きく育つか小さく育つか、その違いは何によって変わるのか?」
「とにかく、大きい幼虫を育てるコツを知りたい」
カブトムシの幼虫を育てるにあたり、そんなことを疑問に思ったりするかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事を読んでいただければ、カブトムシの幼虫がどのように成長するのかについて、おわかりいただけると思います。

今回の記事は、東大でカブトムシを研究されている小島先生というかたのお話を参考にしています。
ド素人&初心者のワタクシは、知識ゼロでしたので、
「とりあえず昆虫マットを与えて、ケースの中がフンだらけになったら交換しよう」
ということしか考えずに育てましたが、標準的な大きさのカブトムシが元気に生まれてきました。
そのためワタクシは、幼虫飼育にそこまで神経質にならなくてもよいと考えております。
(フンだらけの飼育ケースを長期間放置したり、超過密状態で飼育したりしなければ 特に問題ない と思っています)
ただ、
「あまり手間をかけたくないけど、できれば大きい成虫のほうがいいなぁ」
という気持ちはありますよね。
この記事が、なるべく大きい幼虫に育てるための豆知識としてお役に立てれば嬉しいです。
- 幼虫は孵化して3ヶ月で急激に成長する
- 大きい幼虫に育つには、以下
– カブトムシの幼虫専用の昆虫マットを与える
– フンが目立ってきたら、フンを取り除いて昆虫マットの補充を行う
では、順にご説明します。
なお、今回の記事を書くにあたっては、
“不思議だらけ カブトムシ図鑑(小島渉 著)”
とう本が、参考文献として非常に勉強になりました。
小島先生、すごいです! まさにカブトムシの専門家ですね。
カブトムシ幼虫の成長曲線はどんなイメージなのか
ワタクシが非常に雑に飼育している中でも、秋に入るころには幼虫がすごく大きくなっていてビビったものです。
9月の初めごろに気づいたら、人間の大人の親指くらいの大きさになっていて「えっ、マジで!!!」と。
でも、秋ごろまでに巨大化した幼虫は、その後はそれ以上大きく成長しないんですよね。

冬場はほとんど成長しません。
ワタクシが最近読んだ本で、イロイロと勉強になっている、小島先生の“不思議だらけ カブトムシ図鑑”(※)という本によると、以下のような記載があります。
孵化したときにはわずか40㎎しかなかった幼虫は、大量の餌を消費しながらあっという間に巨大化し、孵化して3か月ほどでほぼ最大の体重(メスは約22g、オスは約32g)に達する。
その後、幼虫の体重は小さな増減を繰り返すものの、蛹になるまでの7か月間ほぼ変わらずに維持される。
不思議だらけ カブトムシ図鑑(小島 渉 著)P.114 より引用
(太字は、本ブログでの引用時にカブトパパが強調しました)
(※)不思議だらけ カブトムシ図鑑(小島 渉 著)
この記事では短縮名称で、以下では“カブ図鑑”と表記します。
小島先生ごめんなさい。。。
うーん、やはりそうでしたか。
カブトムシ幼虫がどれだけ大きく育つかは、秋ごろまでにどれだけ大きく育つかにかかっているということなんですね~。
カブトムシの幼虫が大きく育つにはどんな環境が影響するか
ワタクシが幼虫を育てていると、同じ飼育ケースで育った幼虫でも大きさにバラつきがあるんですね。

まぁ、人間だってね、日本人の成人男性でも身長160㎝のひともいれば190㎝のひともいるわけです。
そりゃぁ、カブトムシだって大きさそれぞれでしょう。
とはいえ体の大きさは遺伝で全て決まるわけではなく、十分な栄養を取り込めなければ体も大きくなりづらいし、環境によっても変わるのです。
具体的には、
- よいエサを十分に与えること
- 成長に適した温度条件が十分に続くこと
です。
幼虫にとってよいエサを十分に与えるとはどういうことか
幼虫にとってよいエサを十分に与える、ということは別の言い方をすると“エサの質”と“エサの量”にわかれます。
エサの質について
具体的にいうと「カブトムシの幼虫専用の昆虫マットを与えましょう」というのが結論です。
クワガタの幼虫もカブトムシの幼虫も同じように腐葉土(というか昆虫マット)をエサにするのですが、成長に適した“発酵度合い”が違うんですね。

人間の食事で例えると、果物を食べるとき“熟しきっていないほうが好き”なひともいれば“完熟のほうが好き”なひともいますよね。
クワガタの幼虫は“熟しきっていないほうが好き”なタイプであり、カブトムシの幼虫は“完熟のほうが好き”なタイプ、というイメージになります。
そのため、“カブトムシ・クワガタ両方の幼虫用”の昆虫マットよりも“カブトムシの幼虫専用”の昆虫マットの方が、カブトムシ幼虫飼育によい昆虫マットということになります。
エサの量について
具体的にいうと「飼育ケースの中がフンだらけにならないように、フンを取り除き昆虫マットを補充する」というのがエサの量を確保するための結論です。
カブトムシの幼虫は昆虫マットを食べてフンをします。
ワタクシにとってはフンも昆虫マットもどっちも茶色系であり、まぁ正直なところ“どっちも土みたいなもの”に見えるわけですが、カブトムシの幼虫にとっては“昆虫マット=栄養満点の大好物”である一方で“フン=食べたあとの残りかす”なんですね。

飼育ケースの中にフンが目立ってきたということは、土の中に占める栄養分が減る一方で食べたあとの残りかすが増えているという状態なわけです。
というわけで、飼育ケースの中にフンが目立ってきたら、フンを取り除いて昆虫マットを補充するようにしましょう。
ここでも小島先生のカブ図鑑からの引用を以下に記載します。
成虫の体の大きさに最も強く影響するのは、幼虫の時の餌条件である。
不思議だらけ カブトムシ図鑑(小島 渉 著)P.116 より引用
質の悪い餌の中で育てば小さい成虫にしかなれないし、逆に栄養たっぷりの腐葉土の中で育てば、巨大な成虫が羽化してくる。
(太字は、本ブログでの引用時にカブトパパが強調しました)
また、一つの容器にあまりにも多くの幼虫を入れて飼うと大きな成虫が得られなくなるが、これも、餌の質が劣化したためだと考えられる。
不思議だらけ カブトムシ図鑑(小島 渉 著)P.116 より引用
幼虫は周りに餌がなくなれば自分や他個体のふんを再利用するため、餓死することはほとんどないが、餌の質はどんどん低下していくだろう。
(太字は、本ブログでの引用時にカブトパパが強調しました)
幼虫がより大きくなるためには、発酵した餌が得られるかどうかが重要である。
不思議だらけ カブトムシ図鑑(小島 渉 著)P.117,118 より引用
(中略)
市販のカブトムシマットは、廃材を砕いてふすまや公募を混ぜてよく発酵させたものであり、幼虫の栄養源としてとても優れている。
(太字は、本ブログでの引用時にカブトパパが強調しました)
成長に適した温度条件とは
カブトムシ幼虫の成長曲線とところでも書きましたが、カブトムシの幼虫はた孵化してから3ヶ月くらいで急成長します。
でも、親の産卵の時期が遅かったり冬の到来が早かったりすると、3ヶ月の急成長期間を待たずに成長が止まってしまうのです。
カブトムシの幼虫は寒くなると活動量が落ちてエサを食べる量も減ってきます。

通常は寒くなる時期までに急成長を済ませてしまっているんですが、成長しきる前に寒くなっちゃうとそこで成長を止めてしまうんですね。
ということは、もし親の産卵の時期が遅かったり冬の到来が早かったとしても、暖房をつけて室温が下がらないようにキープできれば、幼虫の成長期間をのばせます。
ここでも小島先生のカブ図鑑からの引用を以下に記載します。
餌条件だけでなく、温度条件も成虫時の体の大きさに関係している。
不思議だらけ カブトムシ図鑑(小島 渉 著)P.120,121 より引用
幼虫は冬が近づき気温が下がってくると、餌をあまり食べなくなり、やがて成長が停止する。
(中略)
つまり、冬が訪れるまでにいかに大きく成長できるかが、大きな成虫になれるかどうかに関係しているのである。
(太字は、本ブログでの引用時にカブトパパが強調しました)
まとめ
- 幼虫は孵化して3ヶ月で急激に成長する
- 大きい幼虫に育つには、以下
– カブトムシの幼虫専用の昆虫マットを与える
– フンが目立ってきたら、フンを取り除いて昆虫マットの補充を行う
↓この記事の参考文献です
↓カブトムシ関連記事をこちらにまとめました。 よろしければご覧ください。https://kabutopapa.com/summary-of-beetle-breeding/
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