カブトムシ豆知識(7) 〜カブトムシのケンカにも手順があった!?〜

カブトムシ豆知識

昆虫バトルを見るのが大好きな子ども、結構いますよね。
わが家の息子も大好きでYouTubeやDVDで動画見て盛り上がっています。

でも、実際にカブトムシを飼育していても、カブトムシ同士がガッツリ組み合って一進一退の大バトルを見ることはあまりないんです。

一方的に追い回されたり、ちょっと組み合ったらすぐに逃げちゃったり、そんなのばかり。

実は、カブトムシのケンカは二段階にわかれていて、それぞれの段階で勝敗を決める要素が違うのです。

カブトくん
カブトくん

今回はカブトムシのケンカについての豆知識です

今回の記事は、本郷儀人さん著の「カブトムシとクワガタの最新科学」を参考にワタクシなりに要約し解釈を加えた内容になっております。

もっと詳しい内容を知りたい方は本書をお読みください。
カブトムシやクワガタについてのさまざまな研究結果が紹介されていて面白いです。

特に、ノコギリクワガタvsミヤマクワガタの勝負ではノコギリクワガタの勝率が高いことや、その意外な理由の考察もなされていた箇所は、思わず「へぇー」とうなってしまいました。

カブトくん
カブトくん

この記事では簡略化して「カブトムシのケンカは二段階」と表記していますが、本書では4段階に分けて詳しく解説されています。

この記事の要点
  • ツノの突き合わせで勝負がつく場合と、取っ組み合いになる場合がある
  • ツノの突き合わせでの勝負に影響するのは「ツノの大きさ」
  • 取っ組み合いでの勝負に影響するのは「ケンカの強さ≒体の大きさ」
  • もっと詳しいことは「カブトムシとクワガタの最新科学」を読むとよい

カブトムシのケンカには段階があった

カブトムシがケンカは、

【1】ツノの突合せ
【2】取っ組み合い

の二段階で進みます。

【1】ツノの突合せ

カブトムシのオス同士が出会いケンカに発展しそうになると、まずツノを軽く突き合います。

この状態でどちらか一方が逃げ出すと勝負はおしまいです。

どちらも逃げ出さなかった場合は、【2】取っ組み合いに進みます。

カブトくん
カブトくん

この段階でどちらか一方が逃げ出すことが意外と多いです。

人間のケンカで例えるならば、ヤンキー同士が街で出くわしたときに、
「ん!?」
「なんだ、やるのか!?」
と一触即発の状況を想像してみてください。

この状況でどちらかが逃げ出すとその時点でケンカは終了、
どちらも逃げ出さない場合は取っ組み合いのケンカに発展する、
という流れになるのと似ていますね。

【2】取っ組み合い

【1】ツノの突き合わせでどちらも逃げ出さずにいた場合、取っ組み合いになります。

お互いに自分のツノを使って、相手を投げ飛ばそうと激しい押し合いが行われます。

カブトくん
カブトくん

まさに人間のケンカで例えるならば、胸倉をつかみあってもみ合っている状態でしょうか。

押し合いが続き、どちらかが相手を投げ飛ばすと勝負がつきます。

ただし、実際には投げ飛ばしに至る前に、片方のオスが逃げてしまうことのほうが多いです。

ふたたび人間のヤンキー同士のケンカで例えてみましょう。

取っ組み合いが始まってからどちらか一方がKOされるまで殴り合うこともあるでしょう。

しかし、実際には殴り合いの途中で形勢が不利な方が逃げ出すほうが多そうですよね。

逃げ出したオスはどうなるか

ケンカの途中で逃げてしまったオスは、勝ったオスに追い回されます。

野生ではエサ場でケンカが発生することが多いので、負けた方は容赦なくエサ場から追い出されます。

カブトくん
カブトくん

飼育ケースの中で延々と追い立てられるオスを見かけます。

狭いケースのなかだと逃げることもできず、ちょっとかわいそうです。

カブトムシの勝敗を決定する要素

カブトムシのケンカが二段階あることを説明しましたが、ケンカの勝敗はどうやって決まることが多いんでしょうか。

ツノの突き合わせではハッタリが効く

【1】ツノの突き合わせで勝負がつく(片方が逃げ出す)場合とそうでない場合があることはすでに述べました。

では、ツノの突き合わせで勝負がつくのはどういう場合が多いのかというと、対格差が大きい場合になります。

体格差を測る基準として「ツノの大きさ」を用いているので、ツノが小さいほうのカブトムシが逃げ出すことが多いのです。

カブトくん
カブトくん

体が小さめでもツノが大きければ第一段階での勝率が上がります。

ある意味ハッタリが効くということです。

人間のケンカで例えるならば、
「ん!?」
「なんだ、やるのか!?」
と一触即発の状態になった場合。

相手を観察して、相手との身長差に気づくと、
「・・・(この相手、背が高くて強そうだな。ケンカするのやめとこう。)」
と判断して戦いを回避する。
その結果、取っ組み合いには至らないケースを想像してください。

人間においても「長身=ケンカが強い」というわけではないです。
でも、長身だと相手がビビって逃げ出すことがあるということと似ていますね。

取っ組み合いは体の大きさがモノをいう

【2】の取っ組み合いになると実力がモノをいいます。
つまり、ツノの大きさではなく純粋なケンカの強さですね。

これは人間のケンカと同じです。

カブトくん
カブトくん

体の大きさの割にツノが大きい個体は【1】での勝率は高くなります。

しかし【2】では実力での勝負になります。

まとめ

  • ツノの突き合わせで勝負がつく場合と、取っ組み合いになる場合がある
  • ツノの突き合わせでの勝負に影響するのは「ツノの大きさ」
  • 取っ組み合いでの勝負に影響するのは「ケンカの強さ≒体の大きさ」
  • もっと詳しいことは「カブトムシとクワガタの最新科学」を読むとよい

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